水を得た魚

34歳にして発達障害(ADHD)診断を受けたけど、人生を楽しむことはあきらめない元応援団長のブログ

東京の野菜ってあんまりおいしくないけど、みんな満足してるの?

スポンサーリンク

どーも。肉屋ロッカク(@rokkakujizo)です。

 

かれこれ7年以上、東京の飲食店で働いていますが、どうしても気になることがあるんです。

 

店で使ってる食材って、どこの誰が作ったんやろ?

ホンマに安心安全で最高においしいもんなんかな?

 

この疑問を解決しないまま、飲食店を続けるのはめっちゃストレスがあります。

ということで、今回はかなり真面目の食材の仕入れについて考えてみました。

 

もくじ

 

食材についてこだわるということ

飲食店をやっていれば、それぞれ食材についてのこだわりがあるはず。

 

仕入れ値にこだわる。

産地にこだわる。

鮮度にこだわる。

下処理にこだわる。

旬にこだわる。

 

店ごとに狙う客層や出したいメニューがあって、それにともない仕入れは変わってきます。

手頃な価格でたくさんの種類の料理を出すファミレスのような業態であれば、安定した価格で大量の食材を仕入れることが絶対的に求められる。

対して、高級寿司店であれば、値段は高くとも新鮮で産地まで指定した仕入れをしているはず。

 

どちらが正解というよりは、どういう店がやりたいかという供給と、どういう店を求めているかという需要のバランスの問題。

ここを見極めてやらないとせっかく出した店は潰れるしかないわけで。

まさに仕入れの問題は飲食店の生命線っちゅうことです。

 

飲食店と仕入れ問題

東京で飲食店を続けてきて7年。

最近、自分が出したい料理と実際に出せている料理のギャップに気持ち悪さを感じるようになってきました。

 

その気持ち悪さの原因は主に仕入れの問題にあります。

それは、けっして安くないお金をいただいているにもかかわらず、料理の中にどこの誰が作ったか分からない食材が混じっていることです。

もちろんすべてではないです。

ウチは焼肉屋なので、牛肉に関しては個体識別番号さえあれば、以下のサイトを使って、産地や生産者など完璧に調べることができます。

 

牛の個体識別情報検索サービス

 

ご飯に関しても、米トレーサビリティ法があるのでまず間違いありません。

 

米トレーサビリティ法の概要:農林水産省

 

それに比べて、野菜はどうか。

実家で農家をやっていた経験から言わせてもらうと、本当においしい野菜って東京にはほとんど出回ってきていません。

 

スーパーで感じる違和感

皆さんも食事の材料を買うためにスーパーなんかに行くことはよくあるはず。

生鮮食品コーナーには日本各地から集められた様々な野菜が並んでいます。

その光景を見て、なんか違和感を感じませんか?

 

なんできれいに形のそろった野菜ばっかりなんやろ。

 

基本的に都内の野菜は東京都中央卸売市場を通して消費者まで届きます。

この仕組みのおかげで安定して効率的に野菜を流通させることができます。

その反面、市場で値段がつかないような野菜は出荷コストがかかるため出回りません。

 

野菜も生き物です。

十人十色。ひとりとして同じ人間がいないように、野菜もまったく同じものはありません。

同じ顔の人間が大量にいたら気持ち悪いでしょ?

だから、スーパーに並んでる野菜がすごく不気味に見えてしまうんです。

 

畑には色んな見た目の野菜があるのに、スーパーにはない。

このことに疑問を感じないのは食材に関して無頓着すぎるんとちゃいますか?

 

スーパーの野菜は本当においしい野菜ではない

東京市場に集まってくるのは売るための野菜達です。

高く売るためには大きさがそろっていて、見た目も綺麗なものが好まれます。

農家もなるべく高く売るために、そういう野菜を多く作る努力を重ねてきました。

 

その結果、味よりも外見重視な野菜ばかりになってしまってるんです。

見た目ももちろん大事ですが、料理にとって最も大事なのは食材の味。

しかし、味を追求した野菜が手に入りにくいのが東京の現状です。

 

おいしい野菜を仕入れにくい東京の飲食店事情

ただ、これには飲食店側の問題もあります。

毎日の営業を回していくには、客数が増えれば増える程、安定した量と品質の野菜を仕入れ続ける必要があります。

そのためには市場から野菜を仕入れるのが手っ取り早い。

 

もし、すべての野菜を味にこだわろうとすれば、自分で産地を回り直接農家から仕入れることになるので、労力もコストもかかりすぎる。

できたとしてもかなり値段を高くしないと採算が取れない。

でも、高過ぎると売れない。

 

それに毎日違う食材を扱うとなると料理人にもかなりの技術と知識が求められるので、誰でもできるわけじゃない。

 

つまり、東京で野菜にこだわった店をやろうとするとハードルが上がりすぎてしまうんです。

この問題を解決するには、多くの契約農家と提携するか、自社農場を立ち上げるしかない。

どっちにしても、会社の規模が相当デカくないと厳しいでしょう。

 

T.Y.HARBOR(ティーワイハーバー)で有名な寺田倉庫が始めたT.Y.FARM(ティーワイファーム)はその好例。

無農薬野菜はコストも人手もかかるから、大企業が自社農園で作って、自社レストランで付加価値を付けて売るというやり方は最強。

農家的には売り先が確定している上、資金があるからじっくりと挑戦できる。

売る方も自信を持ってお客様にオススメできる。

 

まとめ「もうひとつの解決策(自分の店のテーマ)」

そもそもボクは東京で飲食店をやることに限界を感じています。

 

地方であれば、本当においしくて新鮮な食材が安く簡単に手に入るのに、なんでわざわざ東京で高い野菜を苦労して使わないといけないのか。

アホらしい。

 

それなら地元で店やった方がいい。

自分の田畑や山で採れた食材を中心に、足りない分は地元の信頼できる農家と漁港から仕入れる。

東京でやってるみたいに、とにかくお客様をガンガン集めるというよりは、自分でやれる範囲に客数は押さえる。

自分で納得できるものを、食べてほしい人にむけて提供する店がテーマです。

無駄を極力抑えるためにも地産地消、さらにいうと、自産自消は理想的な形。

これなら個人レベルでも仕入れの問題をクリアして、やりたいことがやれるはず。

 

まあぞれでも。

ひとりでやるには限界があるので、家族や賛同してくれる仲間と協力しながら、生産、加工、販売まで一貫したスタイルを提供できる店に育てていく計画です。

 

もし共感できるところがある人がいたら、一緒におもしろいことやりませんか?

食の未来、変えてやりましょう。

 

 

まいどおおきに!